「電気羊」って?(2013/03/07)
「ブレードランナー」は、知る人ぞ知るSF映画の金字塔とされている。
近未来都市の描写が卓越しているともっぱらの評判だが、それ以外にも
モチロン見るべきところの多いまさに大作である。
一方、この原作は「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」と言う変わったタイトルの
SF小説である。このSFファンに挑発的なタイトルにもかかわらず、映画のほうを先に
見る人間も決して少なくない。そして、私もその一人である。
そのような人間は、ほぼ全員が疑問に思うに違いない、「電気羊」って何?
映画にそれらしき存在はなく(後から考えれば示唆する存在はある)、
原作のタイトルにもなっている「電気羊」とは、何の比喩なのだろうか?
この疑問が頭から離れなくなった人間は、早速近くの本屋で「アンドロイドは…」を
注文する事となる。
さて、そのようなテーマを持ってこの原作を読むと、推理小説の冒頭で犯人とトリックを
明かされた心境になる。もちろん、「電気羊」にこだわりさえしなければ、原作は原作として
映画とは異なった面白さがあるのだが。
さあこのエッセイを読んでいるあなた。興味が湧いたら、先ずビデオレンタルショップに
行きますか、本屋さんに行きますか?
え? 「俺のスマートホンもアンドロイドだけど…」って? いや、多分「電気羊」って言う
睡眠プログラムはないと思いますよ。
(医局)